후리가나로 읽는 일본 고전
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
谷 譲次의 踊る地平線(下)(おどるちへいせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,823자 · 283화면
ヴェニスの春は、第一に、温みかけたグラン・キャナルの水が、親切に知らせてくれた。
私は、長靴の伊太利から、明るい春の煙りが、カラカラ浴場跡の雑草のように、生々と沸き上るのを見た。
ゴンドラを繋ぐ、理髪屋の標柱のような彩色棒の影が、水の上で、伸びたり縮んだり、千切れたり附着したりして、一日遊んでいた。
裏町では、毎日、窓から窓へ、夥しい洗濯物の陳列会が開催された。
泥柳が、岸に堵列して、晴天を祝っていた。
私は、溜息の橋の下に、ゴンドラを流して、ヴェニス市民の全生活を、そこの石垣の根に眺めて暮らした。ヴェニス市民の全生活が、その、赤土沼のような水の表面を、ゆるく旋廻して通り過ぎつつあったのだ。それは、古靴の片っぽ、破れた洋傘、果物の皮、死んだ箒、首のない人形、去年の雑誌、無生物になった仔猫など、すべて、この町の春の支度に用のないものばかりだった。
こうして、一九二九年の春は、長靴から立ち昇っていた。
が、このヴェニスのホテルの酒場で、私は、ルセアニアの商人に化けて、密かに這入り込んだ「黄色い嘴」の若い論説部員が、羅馬へ着くと同時に、逮捕されたことを聞いた。