후리가나로 읽는 일본 고전
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
谷 譲次의 踊る地平線(下)(おどるちへいせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,823자 · 283화면
踊る地平線
旅から帰って、はじめて郷国の真価値がその額面通りに買い得るというものだ。今の僕がそれである。もう、実を言うと原稿なんかどうでもいいんで、ただやたらに日本の着物を着て、たたみに寝ころんで、好きな日本の食物を並べておいて、片っ端から食べていたいだけだ。下素だが、真情だから仕方がない。が、この二、三日、半夜孤座して、持ち帰った荷物の整理をしている。すると、実に下らない色んなものが出て来るんだが、それが、僕の嗅覚へぷうんと「あ・ち・ら」のにおいを送って、どうかすると、倫敦の雪、巴里の雨なんかと独りで遊子ぶったりすることもないではない。僕にとっては、洋服のしみ一つにも、忘れられない思い出が蔵されているかも知れないのだ。
とにかく、一年にわたる「新世界巡礼」は、ここに諸君の御後援によってENDを全うするを得た。帰来僕は、一そう印象の沈澱するを待って、亜米利加風に言えば「古い町に鼠を起し」てやろうと待ち構えてるだけだ。
一年の間あちこち僕達について来て下すった読者諸君に、この機会に厚くお礼を申し上げたい。そして特に、終始一貫、有形無形に多大の援助を賜わった中央公論社長島中雄作氏に、僕は心からなる感謝と握手の手を差し伸べる。