후리가나로 읽는 일본 고전
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かるいざわにて
軽井沢にて
正宗 白鳥
正宗 白鳥의 軽井沢にて(かるいざわにて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,560자 · 13화면
ボオドレエルは、人気のない広い公園を散歩しながら、彼女を、善美をつくした宮庭に置くことを空想し、熱帯地方の風景の中に置くことを空想し、しまいには、行当りばったりの旅館に置くのが却って彼女に相応しいと空想して、独りでホクホク悦に入っていた。私は、「帰ったら、あの続きが読めるのだ」と、それを楽しみにして、林間の小径を辿って丘の家へ帰って行くのである。読んでいるのは英文に翻訳された『源氏物語』であるが、そこに現われて来る人物は、軽井沢の途上に散見される翻訳的青年男女をもっと美しくいい人間に作り上げ、それ等の心々をも描いているようで面白い。詩人室生犀星氏は、「軽井沢では煙草を吸うのも贅沢だ」ということを云って、この高原で吸う煙草の味のうまさを讃美していたが、清浄な凉気のなかで読む物語の味いも、下界で読むのとは、自から異っているらしい。
「浮舟の侍女某は、浮舟に思いを寄せて何かと世話をしたがる美青年の薫を一瞥して以来、暇さえあれば、夜は勿論、真昼の日が照耀いているところででも、うつらうつらと薫の面影を夢みていた。人間というものは、自分自分の好きなことを空想していられるものだ。