후리가나로 읽는 일본 고전
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
夢野 久作의 近世快人伝(きんせいかいじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,469자 · 157화면
頭山満が左の肩を揚げて歩けば、玄洋社の小使まで左の肩を怒らして町を行く。頭山満が兵児帯を掴めば皆同じ処を掴む……といった調子であったが、杉山茂丸だけはソンナ真似を決してしなかった。否、むしろ玄洋社のこうした気風に対して異端的な考えをさえ抱いていたらしい事が、玄洋社を飛出してから以後の彼の活躍ぶりによって窺われる。
彼は玄洋社の旧式な、親分乾分式の活躍、又は郷党的な勢力を以て、為政者、議会等を圧迫脅威しつつ、政界の動向を指導して行く遣口を、手ぬるしと見たか、時代後れと見たか、その辺の事はわからない。しかし、たしかにモット近代的な、又は実際的な方法手段をもって、独力で日本をリードしようと試みて来た人間である事は事実である。
事実、彼には乾児らしい乾児は一人も居ない。乾児らしいものが近付いて来る者はあっても、彼の懐中から何か甘い汁を吸おうと思って接近して来る者が大部分で、彼の人格を敬慕するというよりも、彼の智恵と胆力を利用しようとする世間師の部類に属する者が多く、それ等の煮ても焼いても喰えない連中を巧みに使いこなして自分の仕事に利用する。そうして利用するだけ利用して最早使い手がないとなると弊履の如く棄ててかえりみないところに、彼の腕前のスゴサが常に発揮されて行くのである。