후리가나로 읽는 일본 고전
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
夢野 久作의 近世快人伝(きんせいかいじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,469자 · 157화면
しかし二三日も喰いよると子供等が飽いて、ほかのものを喰いたがるのには困ったよ。ハッハッハッ」
と笑っているところは恰で飢饉の実話以上……ここいらは首陽山に蕨を採った聖人の兄弟以上に買ってやらなければならぬと思う。別に周の世を悲しむといったような派手なメアテが在った訳ではなかったし、聖人でも何でもない。憐れな妻子が道伴れだったのだから尚更である。
その時代の事であったろうと思うが、筆者の母親の生家に不幸のあった時のこと、仏に旧交のあった奈良原到が、どこから借りて来たものか上下チグハグの紋服に袴を穿いて悔みに来た。
「ほんの心持だけ……」
と皆に挨拶をして香奠と書いた白紙の包みを仏前に供え恭しく礼拝して帰ったので皆顔を見合わせた。一体あの貧乏人がイクラ包んで来たのだろう……というので打寄って開いてみると中には何も這入っていなかった。正真正銘の白紙だけだったので皆抱腹絶倒した。
しかし心ある二三の人は涙を浮べて感心した。
「奈良原到は流石に黒田武士じゃ、普通の奴なら貧乏を恥じて、挨拶にも来ぬところじゃが……」
生存している老看守某の話によると、奈良原到の須崎典獄時代には、囚人の奈良原を恐るる事、想像の外であったという。