후리가나로 읽는 일본 고전
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
幸田 露伴의 連環記(れんかんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 49,281자 · 95화면
無い。物の因縁というものは、善くなるのも悪くなるのも、都べて斯様いうもので、親切は却って仇となり、助けは却って障りとなって、正基は愈々妻を疎み、妻は愈々夫を恨み、無言の冷眼と嫉妬のひぞり言とは、日に戦ったが、定基は或はずみに遂に妻を去ろうと云い出して了った。女は流石に泣いたり笑ったりしたが、何様も仕方無く、遂に家を出て終った。当時の離別の形式などは今これを詳知する材料に乏しいが、いずれ美しく笑って別れるということは有ろう筈無く、男の瞋眼、女の怨気、あさましく、忌わしい限りを尽して別れたことであったろう。それで無くては別れられる訳も無いのだから。特に女に取っては、一生を全く墨塗りにされるのだから、定基の妻は恨みもしたろう、悪みもしたろう、人でも無いもののように今までの夫を蔑視もしたろう、行末悪かれ、地獄に墜ちよ、畜生になれ、修羅になって苦め、餓鬼になって悩め、と呪いもしたろう。そして自分の将来、何の光も無く、色も無く、香も無い、ただ真黒な冷い闇のみの世界を望み視ては、愴然栗然として堪えきれぬ思いをしたことであったろう。
およそ人間世界に夫婦別れをする女ほど同情に値するものはあるまい。