후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 運命のままに(うんめいのままに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,406자 · 57화면
その時私は直接に自分の心の調べにのみ沈潜してゆくことが出来た。そして私は飲酒を自分の信念を強める糧として自ら肯定していた。
私の下宿の近くに「おきな」という小さい料理屋があった。風流料理としてその道の人に多少知られている家であった。そして私が行くと、いつも給仕をしてくれたのはお島であった。然しそう度々行ったのではない。五六度だと自分で覚えている。
お島は大柄な女であった。そしてポリシーの無い卒直な心をまだ持っていた。彼女のうちには極めて漠たるロマンチックなものが在った。そしてそれが彼女の頑丈な体格や、眼の動かない愛嬌のない顔などを、和らげていた。黙って自分の心に沈潜しながら酒を飲んでいても、少しの気づまりも私は感じなかった。私は彼女の前に安らかな親しみをさえ感じた。存在の淡い女だと私は思った。
父親の死から引続いて母親をも失い、財産も人手に渡ってしまったので、その頃通っていた新潟の女学校を三年で止してしまって、彼女は弟を国に残したまま叔母を頼って東京に出て来た、と云うようなことを私に話した。然し叔母は余りによくない人で、彼女に不正な商売をすすめて止まないので、つらい思いをしながら一年ばかりその家に厄介になっていたが、遂に思い切ってさるお屋敷に奉公に出た。