일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いこん

遺恨

坂口 安吾

坂口 安吾의 遺恨(いこん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,706자 · 22화면

아오조라 문고

女は黙って立ったが、やがて、ドンブリを持ってきて、投げすてるように置いて行った。

先生はムサボリ食った。まずくはない。然し、シカとは分らない。昔の記憶と比較するには、昔の記憶が遠ざかりすぎているようである。昔なら、なんという食べ物に当るのだか、五目支那ソバ、というのかも知れぬ。ユデタマゴの一キレがある。イカがある。キャベツもある。先生は慌てゝいたので、コショーをふりかけるのを忘れたが、食べ終ってから、テーブルの上に薬味のあることにも気付いたのである。

先生の心は戦かった。もう一パイ食べるために女給をよばねばならぬ。然し、女給はお客よりもお客らしく、自分たちのテーブルでキャア/\さゞめいているのである。

まったく、分らないのはムリがない。先生とても、毎日街を歩くから、女の服装について知ってはいたが、大別して、ダンサーらしいものと、女学校卒業の事務員らしいのと、未婚の女にこの二色があって、令嬢だの女中だのという階級の別はないようであった。

女給と分って、三人組を見直し、お客と比較してみても、やっぱり区別が分らない。服装も髪の様子も同じようで、違っているのは、女給のテーブルには支那ソバのドンブリがないことだけであった。