후리가나로 읽는 일본 고전
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さけぬさんざ
避けぬ三左
山本 周五郎
山本 周五郎의 避けぬ三左(さけぬさんざ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,846자 · 22화면
と呼びかけたわけなのである。なんと答えるか、おそらく「さよう」と云うだろうと思っていたら、――これから嫁をもらいにゆく、という意外な返辞だったのである。では「まさか」という噂の一部は「まさか」ではなかったのか、国吉三左衛門が変ったのは恋患いの為だったのか。まあいい、とにかく彼のゆく所へついて行ってみよう。……番町高辻から武家町へはいった彼は、榊原家の年寄大橋弥左衛門の家をおとずれた、弥左衛門は槍組の侍大将で、三左衛門はその旗下にある。案内を乞うとすぐに通された、そのころのさむらいの家はむろんまだ板敷で、畳などというものは用いなかった、贅沢にして褥か毛皮、たいてい大身の者でも蒲で編んだ円座(あぐら)の上に坐る、夜になれば蔀をおろし障屏をたてるが、日中はとりはらって寒風の吹き通るままであった。
「おねがいがあって参上いたしました」
「改まってなんだ」
弥左衛門はけげんそうに、ふかく落ち窪んだ眼でじっと三左衛門をみつめた。駿府は暖かい土地で、この家の庭にある梅の老木は、はやくも枝の蕾をふくらましている、その枝のさきを一羽のまひわがちちと鳴きながら飛びあるいていた。