후리가나로 읽는 일본 고전
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じゅうびょうしつにっし
重病室日誌
北条 民雄
北条 民雄의 重病室日誌(じゅうびょうしつにっし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,745자 · 14화면
彼の眼は良い方と悪い方とあつて、今度急激に神経痛でその良い方の眼が一晩のうちに見えなくなつてしまつたので、今は全くの盲目になつてしまつた。そこで思ひ切つて悪い方の眼を手術したのださうだ。それで見えるやうになれば幸ひ、見えなくても損はないといふ勘定である。もつとも、見えるやうになつたとしてもほんの一時で、すぐまた見えなくなるに定つてゐるが、まあ一時にしろ見えれば得だ、と彼は語つた。もつとも中には眼ばかりは絶対に手術するものぢやないといふ者もゐるが――といふのは、手術した眼が再び見えなくなると、今度は完全な盲目になつてしまふ。盲目にもやはり段々があつて、手術しない眼だとなんにも見えなくなつてからもなほ光りが感ぜられる。たとへば真暗な部屋に不意に電燈がついたり、夜が明けたりした場合その明暗が感得出来る。しかし一度手術を受けると、もうその明暗すらも感ぜられぬ完き闇の世界の住人とならねばならぬのださうだ。手術といふのは角膜を切り開いて虹彩を切り瞳孔を拡げるのださうである。神経痛などで充血すると、虹彩の内側に膿その他の分泌物が溜つて虹彩と水晶体とが密着して括約が利かなくなるのださうである。