일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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のにこえなし

野に声なし

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 野に声なし(のにこえなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,460자 · 9화면

아오조라 문고

心境を顧みない芸術家は、第二義第三義的なものに堕していって、真の芸術の途から外れてゆく。

先ず心境を練ることをしないで、ただ先へとばかり進みたがるのは、多くの未成大家の弊である。そういう途を辿る時には、進めば進むほど益々芸術から遠ざかる。

自然主義のよい作品が生れたのは、自然主義的心境が渾然としてきたからであった。言葉は当っているかどうか知らないが、表現派の良い作品が生れたのは、表現派的心境が渾然としてきたからであった。プロレタリア派のよい作品が生れるには、プロレタリア派的心境が渾然としてこなければいけない。心境を離れた技巧は、単なる作文的技巧である。心境を離れた主張は、単なる論理的主張である。心境を離れた見方や考え方は、単なる批評的見方や考え方である。芸術的な技巧や主張や見方や考え方は、そんなものではない。心が――魂が――そこにしっくり落込んでいなければいけない。そういう心境になっていなければいけない。

頭を或る方面へ向けるのは容易い。魂を或る方面へ据えつけるのは難い。而も芸術家にとっては、魂の据っているか否かが第一の問題である。

斯くして、既成大家が一の心境に固着して先へ進もうとせず、未成大家が先へ進もうとばかりして心境の開拓を顧みない結果、文壇は行きづまったという嘆声が生じた――それは地震前のこと