후리가나로 읽는 일본 고전
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のにこえなし
野に声なし
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 野に声なし(のにこえなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,460자 · 9화면
野に声がなかったからである。
地震後の文壇を動かすには、否地震後と何時とを問わず、所謂行きづまった文壇を動かすには、文壇の内部にそれだけの刺戟がなければいけない。文壇の内部に、野に叫ぶ声がなければいけない。
野に声なき結果、文壇は萎靡しがちである。
野に声なし――野は朝野の野であり、声は野に呼ばわる予言者の声のそれである。
固より、野に声なしというのは比喩である。天国は近づけり悔い改めよと、ユダヤの野に叫ぶ予言者の声に籠ってる気魄、そういう気魄がないというのである。
この野に呼ばわる声こそ、人の肺腑まで泌み通る。既成大家を奮起せしめて、一の固定心境に晏如たらしめず、更にその進展に志ざさせるものは、この声である。未成大家を沈思せしめて、その皮相な興奮を打挫き、新たな心境に眼覚めさせるものは、この声である。
この声は何処から出てくるか?
或は一人の人の口から――既成大家と未成大家とを問わず、或る一人の人の口から――じかに発せられることがある。或は幾人かの集団の雰囲気から、自然に発してくることがある。或は批評の言葉の中から、叫び立ててることがある。或は作品の行と行との間に、潜み籠ってることがある。