후리가나로 읽는 일본 고전
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
伊藤 左千夫의 野菊の墓(ななこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,271자 · 144화면
春の潮
一
隣の家から嫁の荷物が運び返されて三日目だ。省作は養子にいった家を出てのっそり戻ってきた。婚礼をしてまだ三月と十日ばかりにしかならない。省作も何となし気が咎めてか、浮かない顔をして、わが家の門をくぐったのである。
家の人たちは山林の下刈りにいったとかで、母が一人大きな家に留守居していた。日あたりのよい奥のえん側に、居睡りもしないで一心にほぐしものをやっていられる。省作は表口からは上がらないで、内庭からすぐに母のいるえん先へまわった。
「おッ母さん、追い出されてきました」
省作は笑いながらそういって、えん側へ上がる。母は手の物を置いて、眼鏡越しに省作の顔を視つめながら、
「そらまあ……」
驚いた母はすぐにあとのことばが出ぬらしい。省作はかえって、母に逢ったら元気づいた。これで見ると、省作も出てくるまでには、いくばくの煩悶をしたらしい。
「おッ母さん、着物はどこです、わたしの着物は」
省作は立ったまま座敷の中をうろうろ歩いてる。
「おれが今見てあげるけど、お前なにか着替も持って来なかったかい」
「そうさ、また男が風呂敷包みなんか持って歩けますかい」