후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
ように起居することを強いられるのだった。本家から正明に附属してきた老女が、(これは、言いようない愚昧な女だったが)初心な娼婦をなやす遣手婆のように、心得顔に万事をとりしきって、分家のなにびとにも有無をいわせなかった。
つぎの夜、正明は猛然と葵の前に立った。彼は異常な Satyriasis の傾向をもっているのだが、実際のことは知らなかった。老女が教えても、それを了解することが出来ない風だった。しまいに懊れてくると、爪をのばして、ところ嫌わず老女を掻きむしるのだった。
忠義一途なこころから、老女が力いっぱいに葵をつかまえる。その近くで、白痴面が、れいの眼玉をたえずギョロギョロと動かし、鼻翼をふくらませながら、夢中になって無益な身動きをつづけているさまは、なんといっても、この世のすがたと思われなかった。
しかし、結局は、いつも葵のほうが勝つ。力いっぱいにはねのけると、母のいる数寄屋まで逃げてゆくのだった。すると、老女は、この家には、たれ一人自分に手を貸すものはない、言語道断な不忠ものばかりだ、といって、さんざんに猛りたち、あげくは、大声で泣き出すのだった。