일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こんじきのし

金色の死

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 金色の死(こんじきのし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,997자 · 46화면

아오조라 문고

其れは四月の中旬の、霞の濃い空が紺青に晴れ渡った麗かな或る日の事でした。私は朝早く東京を出て、其の日の午後二時ごろには湯本から四里の山路を登り詰め、彼の邸の楼門を遥に望む事の出来る高原の一端に着きました。私は以前にも度々箱根へ遊びに来たので、此辺の地勢にも比較的明かるい積りでしたが、宏壮な彼の邸が蟠踞してから山容水態が悉く一変して了った事を感じました。私は何となく浦島太郎やリップ、バン、ウィンクルの昔を想い出さずには居られませんでした。

門を這入ると、岡村君はもう其処に来て待って居ました。彼は羅馬時代のゆるやかな白い外袍を身に纒い、足には草履を穿いて例の大象の立像の下に跼みながら、ぽか/\とした西日に照されつゝうすら睡そうに蹲踞って居ました。

「僕は君の来るのを遠くから眺めて居た。彼処の柱に倚りかゝって―――。」

彼はこう云って、隔たった山の一角の、白堊の洋館の廊下を指しました。

幽玄な構内の地域は昼も猶森閑として、岡村君と私と奇怪なる彫刻の外には何の人影も見えませんでした。暫くして彼が手に持って居た呼子を鳴らすと、何処ともなく微妙な鈴の響が聞えて一匹の駝鳥が花束を飾った妍麗な小車を曳いて走って来ました。