후리가나로 읽는 일본 고전
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
岡本 かの子의 金魚撩乱(きんぎょりょうらん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,999자 · 67화면
対岸の平沙の上にM山が突兀として富士型に聳え、見詰めても、もう眼が痛くならない光の落ちついた夕陽が、銅の襖の引手のようにくっきりと重々しくかかっている。エンジンを入れてボートを湖面に滑り出さすと、鶺鴒の尾のように船あとを長くひき、ピストンの鼓動は気のひけるほど山水の平静を破った。
復一の船が海水浴場のある対岸の平沙の鼻に近づくと湖は三叉の方向に展開しているのが眺め渡された。左手は一番広くて袋なりに水は奥へ行くほど薄れた懐を拡げ、微紅の夕靄は一層水面の面積を広く見せた。右手は、蘆の洲の上に漁家の見える台地で、湖の他方の岐入と、湖水の唯一の吐け口のS川の根元とを分っている。S川には汽車の鉄橋と、人馬の渡る木造の橋とが重なり合って眺められ、汽車が煙を吐きながら鉄橋を通ると、すべての景色が玩具染みて見えた。
復一は、平沙の鼻の渚近くにボートを進ませたが、そこは夕方にしては珍らしく風当りが激しくて海のように菱波が立ち、はすの魚がしきりに飛んだ。風を除けて、湖の岐入の方へ流れ入ると、出崎の城の天主閣が松林の蔭から覗き出した。秀江の村の網手の影が眼界に浮び上って来たのである。