후리가나로 읽는 일본 고전
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
岡本 かの子의 金魚撩乱(きんぎょりょうらん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,999자 · 67화면
復一に、何となく息の詰まる数分があって、やがて、応接間のドアが半分開かれ、案外はにかんだ顔の真佐子が、斜に上半身を現した。
「しばらく」
そして、容易には中に入って来なかった。復一は永い間渇していた好みのものは、見ただけで満足されるという康らいだ溜息がひとりでに吐かれるのを自分で感じ、無条件に笑顔を取り交わしたい、孤独の寂しさがつき上げて来たが、何ものかがそれをさせなかった。それをしたら、即座に彼女の魅力の膝下に踏まえられて、せっかく、固持して来た覚悟を苦もなく渫って行かれそうな予感が彼を警戒さしたのであろう。彼の意地はむしろ彼女の思いがけない弱気を示した態度につけ込んで、出来るだけの強味と素気なさを見せていようと度胸を極めた。彼は苦労した年嵩の男性の威を力み出すようにして「お入りなさい。なぜ入らないのです」といった。
彼女は子供らしく、一度ちょっとドアの蔭へ顔を引込ませ、今度改めてドアを公式に開けて入って来たときは、胸は昔のごとく張り、据り方にゆるぎのない頸つき、昔のように漂渺とした顔の唇には蜂蜜ほどの甘みのある片笑いで、やや尻下りの大きな眼を正眼に煙らせて来た。