후리가나로 읽는 일본 고전
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きんぎょりょうらん
金魚撩乱
岡本 かの子
岡本 かの子의 金魚撩乱(きんぎょりょうらん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,999자 · 67화면
鼎造の崖邸は真佐子の生れる前の年、崖の上の桐畑を均して建てたのだからやっと十五六年にしかならない。
新住者だがこの界隈の事や金魚のことまで驚くほど鼎造はよく知っていた。鼎造の祖父に当る人がやはり東京の山の手の窪地に住み金魚をひどく嗜好したので、鼎造の幼時の家の金魚飼育の記憶が、この谷窪の金魚商の崖上に家を構えた因縁から自然とよみがえった。殊に美しい恋妻を亡くした後の鼎造には何か瓢々とした気持ちが生れ、この生物にして無生物のような美しい生きもの金魚によけい興味を持ち出した。
「江戸時代には、金魚飼育というものは貧乏旗本の体のいい副業だったんだな。山の手では、この麻布の高台と赤坂高台の境にぽつりぽつりある窪地で、水の湧くようなところには大体飼っていたものです。お宅もその一つでしょう」
あるとき鼎造にこういわれると、専門家の宗十郎の方が覚束なく相槌を打ったのだった。
「多分、そうなのでしょう。何しろ三四代も続いているという家ですから」
宗十郎が煤けた天井裏を見上げながら覚束ない挨拶をするのに無理もないところもあった。復一の育ての親とはいいながら、宗十郎夫婦はこの家の夫婦養子で、乳呑児のまま復一を生み遺して病死した当家の両親に代って復一を育てながら家業を継ぐよう親類一同から指名された家来筋の若者男女だったのだから。