후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,145자 · 19화면
一
早いのが飛鳥山。
花の噂に、横町の銭湯が賑わって、八百八町の人の心が一つの陽炎と立ち昇る、安政三年の春未だ寒いある雨上りの、明けの五つというから辰の刻であった。
唐桟の素袷に高足駄を突っ掛けた勘弁勘次は、山谷の伯父の家へ一泊しての帰るさ、朝帰りのお店者の群の後になり先になり、馬道から竜泉寺の通りへ切れようとして捏返すような泥濘を裏路伝いに急いでいた。
伊勢源の質屋の角を曲って杵屋助三郎と懸行燈に水茎の跡細々と油の燃え尽した師匠家の前まで来ると、ただごとならぬ人だかりが岡っ引勘次の眼を惹いた。
「何だ、喧嘩か、勘弁ならねえ。」
綽名にまで取った、「勘弁ならねえ」を連発しながら、勘弁勘次は職掌柄人波を分けて細目に開けた格子戸の前に立った。
江戸名物の尾のない馬が、勝手なことを言い合っているその言葉の端ばしにも、容易ならぬ事件の突発したことが窺われた。
「おや、お前さんは八丁堀の勘さんじゃねえか。」
こう言ってその時奥から出て来たのは、少し前まで合点長屋の藤吉の部屋で同じ釜の飯を食っていた影法師の三吉であった。彼は藤吉の口利きで今この界隈の朱総を預る相当の顔役になっていたものの、部屋にいたころから勘次とはあまり仲の好い間柄ではなかった。