후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,251자 · 39화면
「おい、つぎは花さんだ。」幸七が、高座を明かせまいとして、芸人たちの溜りのほうへ声を高めた。
「花さんは、何をしてる――。」
「おやおや、ものを食うひまもありゃあしない。」
楽屋で弥助を摘んでいた浮かれ節の花坊主が、口いっぱいに頬張ってもごもごさせながら、
「はい。おん前に候。ごめん下さいまし。」
藤吉たちのあいだをすり抜けて、高座へ出て行った。頭をあおあおと丸めて、古代むらさきのしぼりのあらい縮緬の羽織をずり落ちそうに、真っ赤な裏をちらちら見せている。
「ええ――かわりあいまして、かわり栄えもございません。毎度お耳お古いところで恐れ入りますが、おあとには、おめあてが続々繰り込んでおりますので、手前はやはり、うきよぶしを二つ三つ、なあんて、いい気なもので、さあ――。」
花坊主の声が、高座うらの藤吉の耳にも、遠く籠もったものに聞こえて来る。
廊下を行こうとした梅の家連の女たちは、幸七に引き止められて、追われるように、すぐ横側の部屋へ上った。
何ごとが起ったのか――と、不審げにしている若い女たちのまえに、藤吉が立った。
が、そこの廊下に、あの武右衛門が仰向になって横たわっていることが、誰からともなくすぐ伝わったとみえて、急に、女どもの白い顔に、恐怖が来た。