후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,874자 · 20화면
それがおかしいとあってやんやと囃す。その騒ぎの鎮まったころ、片岡町の方から、あるかなしかの風に乗って不思議な唄声が聞えてきた。銀の伸板をびいどろの棒で叩くような、それは現世のものとも思えない女の咽喉。拳の連中は気がつかないが、藤吉はぐいと一つ顎をしゃくって、
「来たな!」
という意。勘次は頷首く。
「彦の野郎うまくやってくれりゃあ好えがのう。」乗り出す藤吉の足許から、
「なあに親分、」勘次が答えた。「彦のこった、大丈夫鉄の脇差し――即かず離れず見え隠れ、通う千鳥の淡路島、忍ぶこの身は――。」
「しいっ!」
声は近着いてくる。唄の文句は明瞭とは聞き取れないが、狂女お艶から出てこの界隈では近ごろ誰でも承知の狂気節はお茶漬音頭、文政末年都々逸坊仙歌が都々逸を作出すまでのその前身よしこの節の直流を受けて、摺竹の振り面白い江戸の遊びであった。歌詞に棘があるといえばあるものの、根が狂気女の口ずさむ俗曲、聞く人びとも笑いこそすれ、別に気に留める者とてはなかった。
片岡町を左へ松屋町へ出たと見えて、お艶の美音は正覚橋のあたりから、転がるように途切れ途ぎれて尾を引いてくる――。