일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき

釘抜藤吉捕物覚書

林 不忘

林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,547자 · 27화면

아오조라 문고

一

「あっ! こ、こいつぁ勘弁ならねえ。」

いの一番に傘を奪られた勘弁勘次、続いて何か叫んだが、咆える風、篠突く雨、雲低く轟き渡る雷に消されて、二、三間先を往く藤吉にさえ聞き取れない。が、

「傘あ荷厄介だ。」

こう藤吉が思った瞬間、一陣の渦巻風が下から煽って、七分にすぼめて後生大事にしがみついていた藤吉の大奴を、物の見事に漏斗形に逆さに吹き上げた。面倒だから手を離した。傘は苧殻のように背後へ飛んだ。あとから勘次が来ると閃くように気がついた藤吉、足踏み締めて振り返りざま精一杯に喚いた。

「勘! 傘が行くぞっ。危ねえっ!」

「あい来た!」

ひらり引っ外した勘次の頭を掠めて、白魚屋敷の練塀に真一文字、微塵に砕けた傘は、それなりいもりのように貼りついて落ちもしなければ、動きもしない。蒼白い稲妻に照らし出されて刹那に消える家並みの姿、普段見慣れている町だけに、それはげに高熱の幻に浮ぶ水底地獄の絵巻そのまま。

桐油合羽でしっくり提灯を包んだ葬式彦兵衛、滝なす地流れを蹴立てつつ、甚右衛門の導くがままに真福寺橋を渡り切って大富町の通りへ出た。電光のたびにちらりと見える甚右衛門の影と、互いに前後に呼び合う声とを頼りに、八丁堀合点長屋を先刻出た藤吉勘次彦兵衛の三人は、風と雨と神鳴りとが三拍子揃って狂う丑満の夜陰を衝いて