후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,598자 · 26화면
ないどころか、事実、お糸は、月のうちを半々に岡崎町と采女の馬場に宿分していて昨夜も更けてから帰ったくらいだから、今夜も、朝の首にでも気を腐らしておりきの家に泊って来ることと思い、桔梗屋では、別にお糸を案じもせずに一同早寝の支度を急いでいる最中へ、この急使の迎いの者に誰彼の詮議は無用、奥へ通じて提灯へ火を入れる間ももどかしく、許婚の弥吉が、先に立って夜道を走った。
「おお、寒ぶ!」
肩を窄めて弥吉は男を振り返った。
「雪になるかもしれませんね。」
男はだんまり、猫背を丸めて随いて来る。
「雪になるかもしれませんね。」
弥吉は繰り返した。
采女の馬場、左がおりきの住居、右側は西尾長屋の普請場、人通りもぱったり絶えて、高い足場の蔭だから鼻を摘まれてもわからないほどの暗さ。石川屋敷の方角で消え入るような犬の遠吠え――。
と、この時、
「う、う、う、う――う。」
普請場の闇黒から、低い囁き。
弥吉の足がその場に停まった。追いついた男、
「や、あ、あれは!」
総毛立った嗄れ声。沈黙。間。
「う、う、う。」
と今度は一段高く、たしかに壁の中からだ。
呼吸弾ませて立竦んでいた弥吉、