후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
通された常時の座敷というは、この時代に珍らしい三層楼で、廓内の様子が一眼に見える。
やがて山海の珍味が並ぶ。
山海の珍味と云ったところで、この時分の江戸の料理と来ては京大坂に比べて、不味さ加減が話にもならぬ。それでも渦高く鉢皿に盛られて、ズラリと前へ並べられたところは決して悪い気持ちではない。
山本勾当の三絃に合わせて美声自慢のお品女郎が流行の小唄を一連唄った。新年にちなんだめでたい唄だ。
「お品。相変わらずうまいものだな……どれそれでは肴せずばなるまい」
甚内は機嫌よくこう云うと懐中から財布を取り出した。それから座にある誰彼なしに小判を一枚ずつ分けてやった。
「お大尽様! お大尽様!」
みんな喜んで囃し立てた頃には短かい冬の日がいつか暮れて座敷には燭台が立て連らねられた。
この時ようやく甚内の馴染のお米女郎が現われた。
いつも淋しげの女ではあるが分けても今夜は淋しそうに、坐ると一緒に首垂れたが、細い首には保ち兼ねるようなたっぷりとした黒髪に、瓜実顔をふっくりと包ませ、パラリと下がった後れ毛を時々掻き上げる細い指先が白魚のように白いのだけでも、男の心を蕩かすに足りる。