후리가나로 읽는 일본 고전
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
宮本 百合子의 錦木(にしきぎ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,481자 · 103화면
しずかなあたりの景色や人の足音にいろいろの思の湧く女君は懐硯を出して三つ折の紙に歌や短い文などを細く書きつけて居た。女達もまねをするように紙を出したり筆をしめしたりして居たけれ共あんまり才のない女達は車のゆれる毎に心が動いてとうていものにならないのであきてしまって筆を持ちながら髪をさわって見たり、思い出した人の名を片っぱしから書きつけなどして居たので女君が、
「どんなのが出来たの、見せて御覧」
と云った時に、
「出来ませんけれ共」
と云いながら紙を出した女はたった一人か二人ほかなかった。
女達はしずかにおだやかな旅をつづけて海辺の家についた。
女君は海辺の家に行ってから二日立つまで弟君の居ることを知らなかった。
部屋も大変はなれて居るし女達もだまって居たのでしずかにして居る女君には一寸もわからなかったのである。
二日目の夕方、女君は縁側に出てしずかな夕暮の空気の中に灰色によせては返して居る波音をいかにもおごそかな心持を以てきいて居られた。段々波の底まで引き込まれる様な重い気分になって早く他界した二親の事から、この頃の事などを思い合わせて段々迫って来る夜の色の様に女房の心には悲しみが迫って来た。