후리가나로 읽는 일본 고전
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かりさかごえ
雁坂越
幸田 露伴
幸田 露伴의 雁坂越(かりさかごえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,263자 · 28화면
へと出るかの外には路も無いのだから、今では実際雁坂越の道は無いと云った方がよいのである。こういうように三方は山で塞がっているが、ただ一方川下の方へと行けば、だんだんに山合が闊くなって、川が太って、村々が賑やかになって、ついに甲州街道へ出て、それから甲斐一国の都会の甲府に行きつくのだ。笛吹川の水が南へ南へと走って、ここらの村々の人が甲府甲府と思っているのも無理は無いのである。
釜和原はこういったところであるから、言うまでも無く物寂びた地だが、それでも近い村々に比べればまだしもよい方で、前に挙げた川上の二三ヶ村はいうに及ばず、此村から川下に当る数ヶ村も皆この村には勝らないので、此村にはいささかながら物を売る肆も一二軒あれば、物持だと云われている家も二三戸はあるのである。
今この村の入口へ川上の方から来かかった十三ばかりの男の児がある。山間僻地のここらにしてもちと酷過ぎる鍵裂だらけの古布子の、しかもお坊さんご成人と云いたいように裾短で裄短で汚れ腐ったのを素肌に着て、何だか正体の知れぬ丸木の、杖には長く天秤棒には短いのへ、五合樽の空虚と見えるのを、樹の皮を縄代りにして縛しつけて、それを担いで、夏の炎天ではないからよいようなものの跣足に被り髪――まるで赤く無い金太郎といったような風体で、急足で遣って来た。