후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのいちにち
雪の一日
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 雪の一日(ゆきのいちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,354자 · 5화면
去年の夏休みに上京したときに、この二階へもたずねて来て、二時間あまりも話して帰った。T氏は文学趣味のある人で、新刊の小説戯曲類も相当に読んでいるらしかったが、その話の末にこんなことをいった。
「御承知の通り、わたくし共の地方は冬が寒く、雪が多いので、冬から春へかけて四ヵ月ぐらいは冬籠りで、殆どなんにも出来ません。俳句でも唸っているのが一つの楽みです。それですから辺鄙の土地の割合には読書が流行ります。勿論、むずかしい書物をよむ者もありますが、娯楽的の書物や雑誌もなかなか多く読まれています。あなたなぞもなるべく戯曲をお書きにならないで、小説風の読み物類をお書きくださいませんか。戯曲も結構ですが、なんといっても戯曲を読むものは少数で、大部分は小説を喜びますから、それらの人々を慰めてやるというお考えで、努めて多数をよろこばせるような物をお書きください。」
私はきょうの雪に対して、T氏のこの話を思い出したのである。信州にかぎらず、冬の寒い、雪の深い、交通不便の地方に住む人々に取って、かれらが炉辺の友となるものは、戯曲にあらずして文芸作品か大衆小説のたぐいであろう。