후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆきのよる
雪の夜
小林 多喜二
小林 多喜二의 雪の夜(ゆきのよる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,967자 · 31화면
彼は何か言おうとした。が、女がどうしてもピタリしなかった。龍介はその時女の首筋に何か見たように思った。虱だった。中から這いでてきたらしかった。首筋を明るいところまでくると、ちょっと迷ったとでもいうふうに方向をかえて、襦袢の襟に移った。それから襟の一番頂上まで来ると、また立ち止まった。その時女が箸を机の上におくと今虱が這いでてきたところが、かゆいらしく、顎を胸にひいて、後首をのばし、小指でちょっとかいた。龍介はだまっていた。虱はそれから少し今来た方へもどりかけたが、すぐやめて、今度は襦袢と二枚目の着物との間に入っていった。
龍介はポケトから五十銭一枚をとりだして、テーブルの上へ置いた。
「何ァに?」
「髪結賃。この前の……」
そして龍介は「もう帰るよ」と言って立ち上った。女も立ち上った。
「帰ろう」
「そう? ありがとう。じゃまたねえ」
龍介のあとからついてきた女は、そういうと、身体を二、三度ゆすり上げた。彼は何も言わずに外へ出た。出口でもう一度「またねえ、どうぞ」と女が言った。
龍介は外へ出ると興奮してきた。「誰も」「何も」分っていない、と思った。すべてが無自覚からきている。