후리가나로 읽는 일본 고전
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でんぽう
電報
織田 作之助
織田 作之助의 電報(でんぽう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,565자 · 6화면
私は気の早い男であるから、昭和二十年元旦の夢をはや先日見た。田舎道を乗合馬車が行くのを一台の自動車が追い駈けて行く、と前方の瀬戸内海に太陽が昇りはじめる、馬車の乗客が「おい、見ろ、昭和二十年の太陽だ」という――ただそれだけの何の変哲もない他愛もない夢であるが、この夢から私は次のように短かい物語を作ってみた。
三人の帰還軍人が瀬戸内海沿岸のある小さな町のはずれに一軒の家を借りて共同生活をしている。その家にもう一人小隊長と呼ばれている家族がいる。当年七歳の少年である。小隊長というのは彼等三人の中隊長であった人の遺児であるからそう名づけたのであろう。父中隊長の戦死後その少年が天涯孤独になったのを三人が引き取って共同で育てているのだ。
三人は毎朝里村千代という若い娘が馭者をしている乗合馬車に乗って町の会社へ出掛けて夕方帰って来るが、その間小隊長は一人留守番をしなくてはならなかった。ある日、三人が帰ってみると、小隊長がいない。迷子になったのかと、三人のうちあわて者の照井はあわてた。ひとの真似ばかしする厄介な癖の白崎も、迷子になったのかとあわてた。が、間もなく小隊長は右隣の退職官吏の一人娘の一枝に送られて帰って来た。