후리가나로 읽는 일본 고전
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きりのなか
霧の中
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 霧の中(きりのなか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,920자 · 40화면
南さんは相当高利の金を千円かりて、それを三島さんの伯父さんに贈り、木原さんがその間にたって万事まるく納めたというのだ。これはゆすられたのではない、相手方に対する極度の蔑視の表示だ、というような南さんの気持を、木原さんはくどくどと説明してきかしたようだったが、山根さんは一向ききいれず、しまいには一切口を噤んでしまった。口を噤むのは憤慨のしるしだった。
へんにこんがらかったその事件は、家の中を冷たくしてしまった。然しも一つ南さん自身を冷たくさしたような事件があった。当時、南さんの知人や主として後輩の人などで、一種のグループが出来ていた。自由主義的な集りで、あらゆる意味での既成型、頭脳の習慣的な廻転を脱却して、本来の野性に立戻るという主張だったが、実際に於てはただ消極的な批判にのみ終っていて、何等の活動もしてはいなかった。そのうちの一人が、左翼運動に関係があるとかで拘引された。その救助運動について、南さんは公言した。――放っておくがいいんだ。個人主義攻撃の名によって、安価なセンチメンタリズムに左袒してはいけない。――それから次に、南さんは奉職先の学校当局から注意を受けた時、ああいうグループは一種の精神的娯楽機関で、酒の飲み仲間と同じものだと云った。