일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きりのばんしゃ

霧の蕃社

中村 地平

中村 地平의 霧の蕃社(きりのばんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,389자 · 57화면

아오조라 문고

三

三

話は急に新しくなって昭和五年になる。この頃、モーナルーダオの内地人に対する胸底のくすぶりに、大きく点火するような出来事が相継いで起った。

先ず最初に――その夏の初め頃、霧社小学校は予算六千円で、新しく改築されることになった。蕃人に皇民教育を授ける霧社公学校が瓦ぶきの堂々たる建物であるのに比較すると、内地人児童のための小学校は、茅ぶきの粗末な、見すぼらしい校舎に過ぎない。蕃人に与える印象は勿論、内地大児童の精神に及ぼすところも面白くない、という理由であった。

いよいよ建築が始まると、霧社警察分署ではマヘボ社蕃人各戸に対して、四寸角二間柱一本ずつを割りあて、山林から現場へ運ぶことを命じた。しかし、蕃人たちは既にそれよりさき、埔里武徳殿や、付近の桜温泉の新築やに賦役を命じられている。引きつづいて新しい賦役が与えられたことに不満である。しかも、不満はそればかりではなかった。

この付近の蕃人の習慣としては、木材をはこぶのに地面をひきずって歩くのが普通である。しかし、それでは用材に傷がつく。内地人の常識としては、当然、肩にかついで運ぶことを命じるよりか仕方がないのである。