일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きりのばんしゃ

霧の蕃社

中村 地平

中村 地平의 霧の蕃社(きりのばんしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,389자 · 57화면

아오조라 문고

子供たちが場内の整理や、着更えなどに小止みもなく動きまわっている間、テントばりの父兄席では、そこここに楽しい交歓が行われ、噪いだ話声や、賑やかな笑い声が雲のように湧きあがっていた。前夜語りきれなかった一年の話題がまだなんとたくさん残っていることであろう。能高郡守小笠原敬太郎がわざわざ埔里の町から出張に及んで会に臨席していることも、父兄たちの誇らしい話題になっていた。植民地の郡守といえば羽ぶりのいいことは内地の知事以上である。そういうえらい役人の臨席を得て、会はいやが上にも運動会気分をそそられていたのである。それはまったく楽しい団欒であった。

そして、その団欒の蔭に思いもかけない恐ろしい悲劇――この文明の世界では考えることもできない野蛮な惨劇が待ち伏せしていようと、出席者の誰が予想し得たであろう。

会は予定どおり、午前八時を期して始められた。

校長新原重志の開会の辞につづいて、小笠原郡守の祝辞、霧社警察分署主任警部佐塚愛祐の訓辞が滞りなく終った。

つづいて場の中央にたてられたポールに国旗を掲揚するために児童を中心にし、一同は起立して君が代を合唱し始めた――丁度、その瞬間であった。