후리가나로 읽는 일본 고전
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すまでらふきん
須磨寺附近
山本 周五郎
山本 周五郎의 須磨寺附近(すまでらふきん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,396자 · 21화면
清三はその甘い溶けるような静寂の中にいつまでも二人きりでじっとしていたかったが、康子に添ってすぐ立った。
「清水さん」
康子は傘を拡げようとしながら清三の顔を見て云った。
「あなた、生きている目的が分かりますか」
「目的ですか」
「生活の目的ではなく、生きている目的よ」
清三にはちょっと康子の云う意味が分からなかった。康子は清三の返辞を待つ容子もなく、さっと傘を拡いて雨の中に歩み出た。清三は自分が失敗したと思って顔が熱くなった。――二人は傘を並べて黙って寺の前まで戻り静かに石段を下りた。
風のない、暖かい日曜日である、青木も社が休みだったので三人は六甲山へ晩い紅葉を見にでかけた。
「嫂さん近ごろ若くなったなあ」
清三も青木も学校時代から歩くのでは負けないほうだったが康子はこの二人のあいだにあって、尠しも勉める容子なく楽々と歩いた、青木は、嫂が活発に裾を蹴る足元を見ながら何度もそう云った。
「これからだんだん若くなるのよ」
康子はそう云って清三の眼を横眼で見た、その瞳が清三にはひじょうに色っぽく思われた。
山ではまったく紅葉は晩すぎた、十王山という懸額のある寺の辺は、盛頃には大変な人出だというのに、その付近の平地には朽ちかかった落葉が佗しく風に飛ぶばかりであった、三人は六甲の頂上へ行くつもりなのだがその道順を訊く人すら