후리가나로 읽는 일본 고전
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ふうちそう
風知草
宮本 百合子
宮本 百合子의 風知草(ふうちそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,107자 · 88화면
その薬液は、きまった時間をおいて、慎重に観察されながら煮られなければならないものらしかった。
礼儀正しく助手のひとが入って来て、自分の任務を果して出てゆくとき、ひろ子は、そのつど、ぼんやりしたはにかみを感じた。実験用テーブルの端におとなしくかたまって、たのしそうに、言葉すくなくいもの薄ぎれをやいている自分たち二人。それは、十月の明るい光線にガラスどもが光っている実験室の薬品くさい内部の光景として何でもないその一部分であるような、さりとて助手のひとが毎日見なれているあたりまえの情景であるとも云えなさそうな、はにかみを感じるのであった。
いもがやけてから、ひろ子は、片隅の水道から水をくんで来て、やかんを電気コンロにかけた。一室に、生活にも必要なすべてがそろっている化学実験室のつくりは、ひろ子の興味をそそった。ひろ子は実験用テーブルをぐるりとまわって、仔細に千差万別の形をし、はり紙をつけられ、一見無雑作に、しかも極めて意味のある秩序をもって整理されている瓶や試験管の林立を眺めた。
重吉は、そうやって大テーブルのまわりを珍しそうにまわっているひろ子につれて、視線をうつした。