후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
いくら認め合った親友でも、鼈四郎は友の苦しみを看護ることは好まなかった。
苦しみなぞというものは自分一人のものだけでさえ手に剰っている。殊に不快ということは人間の感覚に染み付き易いものだ。芸術家には毒だ。避けられるだけ避けたい。そこで鼈四郎は檜垣の病主人に苦悶が始まる、と、すーっと病居を抜け出て、茶を飲んで来るか、喋って来るのであった。だが病友は許さなくなった。「なんだ意気地のない。しっかり見とれ、かく成り果てるとまた痛快なもんじゃから――」息を喘がせながらいった。
鼈四郎は、手を痛いほど握り締め、自分も全身に脂汗をにじみ出させて、見ることに堪えていた。死は惧ろしくはないが、死へ行くまでの過程に嫌なものがあるという考えがちらりと念頭を掠めて過ぎた。だがそういうことは病主人が苦悶を深め行くにつれ却って消えて行った。あまりの惨ましさに痺れてぽかんとなってしまった鼈四郎の脳底に違ったものが映り出した。見よ、そこに蠢くものは、もはやそれは生物ではない。埃及のカタコンブから掘出した死蝋であるのか、西蔵の洞窟から運び出した乾酪の屍体であるのか、永くいのちの息吹きを絶った一つの物質である。