후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
お絹は人出入稀れな家庭に入って来た青年の鼈四郎を珍しがりもせず、ときどきは傍にいても、忘れたかのように、うち捨てて置いたまま、ひとりで夢見たり、遊んだりした。母無くして権高な父の手だけで育ったためか、そのとき中性型で高貴性のある寂しさがにじんだ。鼈四郎が美貌であることは最初から頓着しないようだった。姉娘のお千代の方が顔を赭めたり戸惑う様子を見せた。
鼈四郎は絹に向うと、われならなくに一層肩肘を張り、高飛車に出るのをどうしようもない。その心底を見透すもののようにまたそうでもないように、ふだん伏眼勝ちの煙れる瞳をゆっくり上げて、この娘はまともに青年を瞠入るのであった。すると鼈四郎は段違いという感じがして身の卑しさに心が竦んだ。
だが、鼈四郎は、蛍雪の相手をする傍ら、姉妹娘に料理法を教えることをいい付かり、お絹の手を取るようにして、仕方を授ける間柄になって来ると、鼈四郎は心易いものを覚えた。この娘も料理の業は普通の娘同様、あどけなく手緩かった。それは着物の綻びから不用意に現している白い肌のように愛らしくもあった。彼は娘の間の抜けたところを悠々と味いながら叱りもし罵りもできた。