후리가나로 읽는 일본 고전
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しょくま
食魔
岡本 かの子
岡本 かの子의 食魔(しょくま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,911자 · 74화면
天才は大概片端者だという。そういえばこの端麗な食青年にも愚かしいものの持つ美しさがあって、それが素焼の壺とも造花とも感じさせる。情慾が食気にだけ偏ってしまって普通の人情に及ぼさないためかしらん。
一ばん口数を利く妹娘のお絹がこんな考えに耽ってしまっていると、もはや三人の間には形の上の繋りがなく、鼈四郎はしきりに煙草の煙を吹き上げては椅子に踏み反って行くだけ、姉娘のお千代は、居竦まされる辛さに堪えないというふうにこそこそ料理道具の後片付けをしている。一しきり風が窓硝子に砂ほこりを吹き当てる音が極立つ。
「天才にしても」とお絹はひとり言のようにいった。
「男の癖にお料理がうまいなんて、ずいぶん下卑た天才だわよ」
と鼈四郎の顔を見ていった。
それから溜ったものを吐き出すように、続けさまに笑った。
鼈四郎はむっとしてお絹の方を見たが、こみ上げるものを飲み込んでしまったらしい。
「さあ、帰るかな」
としょんぼり立上ると、ストーヴの角に置いた帽子を取ると送りに立った姉娘に向い
「きょうは、おとうさんに会ってかないからよろしくって、いっといて呉れ給え」
といって御用聞きの出入り口から出て行った。