일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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たかちほにおもう

高千穂に思う

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 高千穂に思う(たかちほにおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,292자 · 11화면

아오조라 문고

高千穂山腹の天然林のなかで、都市ははやくも遙か後方に遠ざかる。都市が後方に遠ざかることは、原始へと遡ることだ。

山道は、谿谷の左岸づたいに上ってゆく。谿谷のなかには、ささやかな流れがある。木の間がくれに見える谿谷は、青苔のはえた岩石で、そのなめらかな岩肌が川床となっている。岩肌の上を流れおちる水は、清冽だが、殆んど音を立てない。

十和田湖の水をおとす奥入瀬の谿谷は、急湍奇岩で人を魅惑するが、ここのささやかな谷川は、それが木の間がくれに隠見するだけに猶更、そして岩肌の上を音もなくすべり落ちるだけに猶更、人の眼を惹き心を惹く。

私はふと、三好達治の詩を思い起した。

この浦にわれなくば

誰かきかん

この夕この海のこえ

この浦にわれなくば

誰かみん

この朝この草かげ

詩の感覚を置き換えたのである。浦ではなくて山道だ。海ではなく天然林だが、深い天然林には静寂そのものの声が聞える。草ではなく溪流だが、ひそやかな谿流は眼を向けなければそれと分らない。

然し私は、足を早めなければならなかった。汽車の時間の都合で、余裕がなかったのだ。初め、霧島神社に参拝し、旅館の店先へ引返し、姿を変えてまた登山にかかったので、だいぶ時間を費し、そのため、六時間行程の登山を五時間半以内になさねばならなかった。