후리가나로 읽는 일본 고전
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こうげんのたいよう
高原の太陽
岡本 かの子
岡本 かの子의 高原の太陽(こうげんのたいよう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,558자 · 17화면
去年大学を出た同じく内気な性分のかの女の兄が、この界隈に下宿させられてから、幾分ひらけたということも好もしい前例として両親の考の根にあった。青年は以前兄と同じ下宿にいた上野の美術学校の卒業期の洋画科生である。青年は下町にある自宅が大家族でうるさいので、勉強の都合上家を出て、下宿から学校に通っているのだそうである。兄は青年が酒をかなり飲む以外、生活に浮いたところも見えず、一種のニヒリスチックなところ(だが、それゆえに青年の画は青年の表面に現われた性格より余程深刻なニュアンスを持つと云っていた)よりほか、性癖に変った箇所もないと兄は云っていた。むしろ表面はごく捌けた都会っ子で、偏屈な妹には薬になるかも知れない。当人も妹のことを聞いて、その病的に内気なところに興味を持ち、頻りに紹介を頼むことだから、まあ会って見給えというほどのことだった。こういう青年を妹に何の気づかいも無く紹介して間もなく兄はフランス遊学の長途の旅に立って行った。青年は夜になると庭から入って来た。かの女が夕飯を済まして、所在なさに眼のほうたいを抑え乍ら歌書や小説をばあやに拾い読みして貰っていると、庭の裏木戸がぎしいと開き、庭石に当る駒下駄の音が爽やかに近づいて、築山の桃葉珊瑚の蔭から青年は姿を現わした。