후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
慌ててこれを以前の部屋まで担ぎ戻ると、鶴子は既に絶命している。前後の情況から推すと皇帝が窓から投げ落して殺したと思うほかはないのだが、当の皇帝は、失礼と非凡な挨拶を残してそのまま雲散霧消してしまった。加十は死体と二人きりになって当惑しているところへ、玄関番のお馬婆のしらせで二名の官憲が乗込んで来た。加十はつい今まで此処にもう一人の人物がいて、三人で夜食を喰べていたのだから、もし鶴子を殺したとすればその男の仕業に相違ないと陳弁したが、さっきの夜食なるものは、加十は鶴子と同じ皿、同じフォークでおもあいで喰べたので、食卓の上にはなにさま汚れた二人分の食器しかないから、加十のいい分などお取上げになろう筈はない。有無をいわさず殺人犯人としてその場から引っ立てられ、溜池署に留置されることになったが、朝の九時近くになって、異様に鄭重な仕方で釈放され、官用の自動車で帝国ホテルへ送り届けられた。
加十はこれは皇帝が運動して自分を釈放させ、今までの労をねぎらうため饗応でもするつもりでホテルに呼び寄せたのだと思い、ノメノメと安楽椅子に掛けて待っていると、案の条ボーイ長らしいものが入って来て、加十の鼻先に献立表を突付けた。