후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
のうち「貴人の相」というのにまさに匹敵するというから怪しい。こんなのを竜眼鳳眦というのか、一重瞼の切れの長い眼の中には淀まぬ清い光があり、唇は無限の威厳を示して寛濶に引結ばれている。耳に至っては非凡中の非凡であって、風鐸なりの肉の厚い巨大な耳がちょうど眦の下辺りから顎の辺りまで福々と垂れ下り、顎には漆黒の長い顎髯が密生して襟巻のように喉を蔽い隠している。手っ取り早くいえば秦の始皇帝がタキシードを着てウイスキーを飲んでいると思ってくれればよろしい。何しろこういう工合に挙止人相共に一方ならず非凡だから、古市加十はわれを忘れてその人物の横顔を眺めていると、やがてその人物は加十の視線を感じたものか、悠然と顔を回らして加十の方へ振返ったので、ここに端なくも両人の視線がガッチリと絡み合うことになった。加十は狼狽して急いで視線を外らそうとする間も無く、その人物はホンノリと眼を微笑ませながらこっちのテーブルへやって来いという合図をした。加十は根が田舎者で、こういう高飛車の態度に合うと手も足も出なくなる性質だから、たちまち電気にかかったようになって、立つともなく席から立ち上り、騒ぎの間を擦り抜けてその人物と差向いの席につくと、その人物は妙に器用な手つきでウイスキー・ソーダのコップを加十の前に押しやりながら、