후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
「どうか、今年もごひいきに」
志摩徳は、ああ、と鷹揚に受けて、
「どうも、お手数だった」
といって花の方を顎でしゃくり、
「これが、そうなのか」
「左様です。どうか御存分に。……もっとも俺ぁ娘ッ子は苦手だから、後はどうかそちらで」
立上って、幸田と松沢の間へ割り込み、盃を取り上げると無愛想なようすで無言のまま幸田の方へ差し出す。
花は絵のような美しい面を伏せ、オドオドと玉繭の着物の毳をむしりながら消え入りそうに肩をすぼめている。海棠雨に悩む体。
いづみは身体を捻ぢ向けて惚れぼれと花の横顔を眺めていたが、ああ、といって急に立上ってスラスラと花の傍へやって来ると、膝を突合せるように坐って、
「思わず見とれちゃった」
と首を傾げて顔をのぞき上げるようにし、
「失礼ねえ、ごめんなさい。……でも、あまりお美しいんですもの。ああ、どうしよう」
と身体を押し揉む。志摩徳は顔を顰めて、
「いづみ、お前、ちょっと退っていてくれ」
いづみはしおれたふうで、
「おや、仲間はずれですか。……つまらない、せっかく眺めているのに」
松沢は手で煽ぐようにしながら、
「御前は浮気をなさる、な、な」