후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
を抜け出し、ハッチソンが乗って来たロード・スターでいずれかへ走り去り、五時頃になって帰って来たのを印東忠介が手洗場の瓢箪窓から眺めていたこと、右の人差指と、中指と、薬指との爪が摺り減っていて、爪の間に白い壁土のようなものが一杯に詰っていたこと、腕時計のガラスが壊れていたことなど、「中洲」で印東が話した次第をくわしく物語ると、真名古は事務机の上に頬杖をつき、やや長い間黙然と目を閉じていたが、急に本棚の中から「ツルゲネーフの散文詩」を取り出し「雀」というところを読み出したところで前回の終りになっていた。
花の話がすむと、真名古が不意に朗読を始めた事は今いった通りだが、本棚の中から本を探して戻って来るわずかな時間の間に、真名古はこんな奇妙な事をしている。本棚の中に首を突っ込むようにして本を捜しながら、何かブツブツ独り言をいっていた。後先はよく聞きとれなかったが、「アウフクレールング」という言葉だけは微かに聞き取られた。
Aufkl※(ダイエレシス付きA小文字)rung はドイツ語で「捜査」という意味である。本棚の横に送話器の口が開いていて、これが交換台につづいている筈だから、すると、真名古は何気ない顔で何か命令を発したのかも知れない。