후리가나로 읽는 일본 고전
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まと
魔都
久生 十蘭
久生 十蘭의 魔都(まと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 293,999자 · 578화면
この時、四丁目の交番氏は大都会の睡眠に歩調を合わせ、ウツラウツラと船を漕いでいられたのであったが、この不合法なる高声に夢破られ、いささか立腹の気味もあって、ツカツカと入口まで出て行くと、その不届きなる歩行者に向って、
「こらッ」
と、大喝を浴びせかけた。
警官氏の制止にかかわらず、二人の交通労働者氏は、なおもさんざんに叫びながら、いわば蹌々踉々と交番の入口まで辿りつくと、息も絶え絶えのようすでヘタヘタとそこへ坐り込んでしまった。額に汗の玉をうかせ、眼尻を額際まで釣り上げて、何をいうやらしどろもどろ、スラリと夜空に聳え立つ時計台の方を指さしながら、水離れした鮒のように、アップアップと口を動かすばかり、一向埓があかぬのであった。
ようように落着かして要領をききただすと、服部時計店の時計台に人が殺されて吊されているという。馬鹿なことをいっちゃいかん。見上げるところ、銀座の記念塔ともいうべき優雅なる時計台は、プリュニイ氏式の淡い間接照明を白い文字盤の上に漂わせ、三時十五分という時刻をその上に浮き上らせているばかり。首吊りどころか何の異変も見られぬのであった。