일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

吉川 英治의 鳴門秘帖(一)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 262,100자 · 523화면

아오조라 문고

ああ、斬ったな、何かあったな、とは思ったが、折からの来客、それを問うまもなく、また弦之丞も話をそれに触れず、常木鴻山と初対面の挨拶をかわした。

その部屋には、夜の明けがたにいたるまで、焚き足す榾の火がつきなかった。しっかりと手を握り合って、互に、奥底までの胸襟をひらいたので、常木鴻山は、年来の目的を達することに、はッきりとした曙光を感得し、翌朝、眠らずとも晴々しい顔で、一月寺を辞し、左京之介の屋敷へ帰って行った。

そしてまた、四、五日おきに、幾度となく、ここと大手町との間を往復した。

かくて、左京之介と、鴻山と、弦之丞との間に、なんらかの密約が成り立ったらしい。

ある日である。

月はじめの如月日和。

ひそかに、大手町の松平家をでた女乗物は、左京之介が茶席や閑居にのみ建ててある、江戸郊外の代々木荘へ急いでいった。その駕には、狂ったお千絵がのせられている。

鴻山が心をこめてのませた南蛮薬草のききめもなく、お千絵の心はとりとめもなく乱れていた。

代々木荘には、前の日から左京之介が滞在し、その朝は、弦之丞と鴻山がきて、奥の一室を密閉し、家臣を遠ざけ、何かヒソヒソ半日余り密議をこらしていたのである。