후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 261,216자 · 521화면
と――なると、周馬も一角も、にわかに顔の筋を突ッ張らせて、無智な女と何気なくしゃべることが、今彷徨しつつある、大事を占うものと聞かれずにはおられない。
「間違いじゃあるめえな」
と、孫兵衛は女の肩へ手をかけた。
「あの人とは、もう古い顔馴染み、誰が見そこないなんぞするものかね」
「そうか、じゃ、あれが目明し万吉の女房だったか――」
「おい、お十夜」
と、周馬はソッと袖を引いて、お品の側から、二、三歩離れながら、一角と共に何かヒソヒソ相談を交わした。
「う、なるほど……」と、うなずいて立ち戻ると、こんどは孫兵衛の口から、何か別な言葉が女のほうへささやかれた。そして、三人はすぐに、お品の入ったいろは茶屋の暖簾口から、家の中へ姿を隠してしまった。
奥では酒となっているらしいが、お品は時々門へ出てきて、川長のほうを眺めたり、また、そこらにいる朋輩へ、お吉が戻って行ったかどうかを聞いたりしている。
二刻程もたったろう、花は散っても、まだ春の気分は去らないこのあたりに、宵めく絃歌と共に、ぼつぼつ人が雑鬧して来た。
門から門へ浅黄暖簾の裾を覗いて歩く木刀や、船から上がる客や、流しや、辻占売りや、そして艶かしい灯の数々と、春の星とが、どっぷりと黒く澱んだ堀の水によれあって美しい。