후리가나로 읽는 일본 고전
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なるとひちょう
鳴門秘帖
吉川 英治
吉川 英治의 鳴門秘帖(なるとひちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,957자 · 114화면
もちの木坂
もちの木坂
木曾福島の関所の高地から目の下の宿を見おろすと、屋根へ石をのせた家ばかりが櫛比していて、ちょうど豆板という菓子でも干してあるような奇観。
その関所の西口から急落している石段を、今、ひとりの儒者ふうの男、肩から紐で合財袋と小瓢をさげ、その小瓢のごとく飄々乎として降りてくる。
宿へ入ると、瓢先生、左右に軒をつらねている名物屋を、しきりに右顧し左眄して、干し岩魚の味をたずね、骨接薬の匂いをかぎ、檜細工や干瓢屋の軒さきにまで立ったが、ベツになんにも買いはしない。
あまつさえお六櫛を造る店の前では、がらにもなく挿櫛や鬢櫛を手にとって、仔細にその細工のあとを眺め、ふところから日誌をだして二、三種の形を写した上、値だんも聞かずに、またその先へぶらぶら歩いて行ってしまう。
すこし変っている男だ。
いたって悠長な旅には違いない。後からくる旅人がいくら先へ追い越して行こうと、駕屋が声をかけようと、一向気にとめる風もないが、何かに見とれている場合、不意に馬の長い顔が肩へ食いつきそうにでもなる時は、さすがに少し驚いて蛙のように横へ飛ぶ。
すると、この宿の出はずれには、あだかも、この変り者を待ち設けていたように風変りな店が控えていた。