일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면

아오조라 문고

後に上野広小路にお店が出来て、帳場に坐っていた丸髷のおかみさんがその人でした。

小橋の方へ帰りますと一杯の人だかりで、高い声が聞え、三味線の音がしています。

「ああデロレンですね」と、定はいいました。どこか近くに奉公していたと見えて、何でもよく知っています。

細い流のある辺に高い台を拵えて、男が頻りに語っているのは、宮本武蔵の試合か何かのようでした。傍の女の三味線は、そのつなぎに弾くだけで、折々疳走った懸声をします。集った人たちが笑ったりするのは、何かおかしなことでもいうのでしょう。

遅くなるから、大抵にして帰りましたが、目を円くしてその話をしましたら、ちょうど土曜日で、本郷から来ていたお兄さんが笑って、「五十稲荷の縁日へでも連れて行ったら、目を廻すよ」といわれました。けれどもその名高い縁日は見ませんでした。五日と十日とがその日だったのでしょう。

或日玄関に人が来て、書生さんといつまでも、話をしています。気短かな書生さんは、だんだん声高になり、無愛想にもなります。その人は、「どうかお薬をいただかして」と繰返しているようです、お母様が呼んで聞きましたら、「いえ、お宅に家伝のお薬があるでしょうといいます。