후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
「何だか勿体ないような気がする」などと話合いましたが、土地がらだけに、何かある時に勢力があって、指折られるのは妓楼なので、致方なかったのでしょう。
その頃お兄様は陸軍に出ていられました。極った時間にお帰りなのに、それが後れて、少し薄暗くなって来ますと、私はもうじっとしていられません。通りまで出て、招牌の蔭から往来を見詰めています。そこの角は河合という土蔵造りの立派な酒屋で、突当りが帳場で、土間の両側には薦被りの酒樽の飲口を附けたのが、ずらりと並んでいました。主人は太って品のいい人でした。後に河合の白酒というのが出来た時に、そこの家かとも思いましたが、聞いても見ませんでした。
その隣りは天麩羅屋でした。廻りは皆普通の店ですのに、そこだけが一軒目立っていました。註文でもあるのか、盛に揚げて、金網の上に順よく並べているのを遠くから見ていますと、そこへ一人の男が来て、いきなりそれを一つ撮んで、隣の酒屋へ入りました。店の人は心得たもので、伏せてあるコップをゆすぎ、一つの樽の飲口から小さな桝に酒を受けて、コップに移して渡します。立った男は天麩羅を一口食べては酒を一口飲み、見る間に明けて、さっさと出て行きます。