후리가나로 읽는 일본 고전
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
小金井 喜美子의 鴎外の思い出(おうがいのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,675자 · 254화면
団十郎がお得意でした。お兄様はお厭だろうと思いますのに、次兄はそれでも気軽にお兄様の御用をあちこちなさるので、「篤、篤」といって、御機嫌は悪くもありませんかった。
お妹の勝子さんと仰しゃるお嬢さんは元気な方で、後からお兄様に飛びついたりなさいます。私などは幼い時から、お兄様は大切の方と、ただ敬ってばかりいるのでしたから、心の中でまあと思いましたが、お母様など、「登志子さんもあんな気風だったら」など仰しゃるのにまた驚きました。
お客様でいつも夜が更けます。その頃西洋の詩を訳して『国民之友』へ寄せることになって、お兄様が文字と意味とをいって、それぞれにお頼みになります。中には意味だけいって、お自由にと仰しゃるのもありました。名のある方にまじって、私のような何も知らぬ者が片隅に首をかしげていた様子を思いますと、いくら昔のことでも背に汗が流れます。
知らぬ間に時が過ぎます。電話もない頃ですから、家から迎いの車が来ます。更けて寂しい道を車に揺られて、口の中で出来かけの訳詩を呟きながら帰るのでした。雨の日なども行って、転んで著物を汚して、お姉え様のお召を拝借して帰ったことなどもありました。